Strange Days

川棚温泉に向かう(この旅では数少ない輪行込み)

2015年08月20日(木曜日) 01時00分 , 自転車 ( 自転車旅行記 ) , 天気:降ったり止んだり

 今日も西に向かう。泊地は川棚温泉で、距離的には自走でぎりぎりと言うところ。しかし、朝から雨っぽい天気で、なんとも意気が上がらない。途中のどこかで、輪行するつもりだ。しかし、どこまで走られるだろうか。
 宿を後にし、仙崎、長門市と経由しながら、海沿いを走って行く。ふと、山陰本線を走る電車が、大河ドラマのラッピングになっているのに気づいた。
 雨は降り続けていたが、強度は弱く、また時々止みそうにもなった。本当ならば、この先の油谷湾で一泊し、湾沿いに散策したかったのだが、宿を取れなかった。川棚温泉は、やむなくの妥協策だ。山陰本線に沿って、湯谷湾までショートカットする道を走った。そうだ、昨日は萩~三隅間で走った細い道を国道と書いたが、実際は県道だった。
 細かく言うと、道は海沿いに深川湾の西まできて、山陰本線沿いの、やや北寄りの道と、山間を通る北浦街道とに別れる。今日は北浦街道を延々と走った。
 この辺、道は結構いいのだが、沿道は田んぼばかりだ。店が殆ど無い。長門古市手前でローソンを見つけ、やっと休憩と買い物出来た。。
 この道も、長門古市で再び山陰本線と再会し、その後は一緒に西進してゆく。人丸駅に来ると、油谷湾までもう少しだ。雨はパラっときたり止んだりで、路面は乾きかけの所もあれば、しっかり濡れている所もあるという塩梅。
 人丸駅辺りで、わざわざ北浦街道を抜け、駅近くまで来たのは、ちょっと早い昼食場所を探すつもりだったからだ。しかし、店が見事にない。コンビニでなにか買うか。
 などと考えつつも、結局その先を急いだのは、やはりいまいちな天候を気にしていたからだ。雨の強度が上がると、走る気にならなくなる。道端のお地蔵さんにも、安全を祈願したくなるというものだ。
 伊上駅を通過する頃には、雨は強弱つけつつも、少し強まりつつあるように思えていた。うーん、完全自走は無理だろうが、さてどこから輪行すればいい。
 伊上を過ぎて、次の長門粟野、阿川辺りまでが、油谷湾の口当たりだ。対岸に半島が見えている。本当は、あそこにも行きたかった。
 長門粟野付近は、粟野川の河口がふた手に別れ、そこに漁港がある構えだ。何か店はないかと寄ってみた。漁港の対岸、島にも幾つか家屋が見えたが、いずれも作業小屋の類のようだった。一つ、この手の漁港に欠かせない、神社があった。
 ここもこれという飲食店が見当たらないので、更に先へと向かう。しかし、段々と走るのが嫌になってきていて、次の阿川辺りで輪行しようと考えだしていた。
 やや山岳戦気味の、山中の幹線をひた走り、下って出た浜が阿川ほうせんぐり海浜公園という場所。結構整備された公園で、これなら浜茶屋の類もあるんでね、と思って寄ってみた。しかし、あるにはあったが、営業は昨日まで。なんてこった!
 もう、完全に走る気をなくしたので、阿川から輪行することに決定。吾川駅で自転車をまとめてしまう。幸い、駅の近くに売店があったので、そこでパンを買って少し腹に入れた。昼食と言うには寂しいが、助かった。
 1時間以上待って、やってきた列車に乗り込んだ。券売機もない駅なので、ワンマンカーが来るかと思いきや、観光用のみすゞ潮騒号という、3両編成でやってきた。これ、全席指定じゃね? などと焦ったが、ちゃんと自由席はあった。しばし、車窓を*1流れる景色を楽しんだ。今回、阿川から飛ばしてしまったので、角島にも当然渡れなかった。次回は、油谷湾と角島を重点的に攻めたい。
 川棚温泉で下車。自転車を組み立てながらも、雨がパラパラと降り続ける天気に、宿までの1km程度の道行にすら、不安を覚える。まあ、濡鼠になっても、宿で何とかするだけだが。
 まだ、宿のチェックインまで、時間があるなあ。などと思いつつ、自転車を組んでいたら、ハブダイナモライトが点灯しないことに気づいた。これは一大事、とその場で修理を行う。怪しいのは、いつだってコネクタとの配線部なので、一度バラしてから、配線しなおした。工具がないので苦労したが、回復させることはできた。
 腹が減っているので、駅近くにあったうどん屋に入り、ごぼ天うどんを食す。ごぼ天が実に美味しい。
 チェックイン時間になったので、已む無く雨の中、宿まで走る。宿のある川棚温泉は、少し高台だった。幸い、登るというほどもなく、到着。ことぶき旅館という宿に泊まった。増改築を重ねてきた様が伺える、出入り口は1階だが、記帳所は2階にあるという謎の作り。全体的に古い作りの、年数がたった宿だったが、こまめに修繕と清掃を行き届かせてる様が伺えて、好印象だった。高台故に、内陸に引っ込んでいるのだが、響灘まで見渡せるのだ。
 しばし、濡らしたものの始末や、旅の記録に時間を費やし*2、風呂の後はお楽しみの食事だ。おしながきからして、期待できそう。
 これは温泉豆腐。ふわふわした食感で、重曹を使った湯豆腐みたいな感じ。
 小フクの揚げ物は、魚の旨味がジュッと染み出してきて、実に美味だ。下関で食べたフグとしては、この小フクの天ぷらが一番好きだ。
 イワシのつみれ鍋は、イワシのだしが実に効いて、濃厚というよりは切れの良い味わい。
 そして、ここで出会ったのかと驚いた、瓦そば。北限は秋吉台だったと思っていたので、ここで出されて驚いた。この他に御飯もついてくるので、油っぽい瓦そばには、少し苦戦した。が。美味しかったぞ。量があったけど、完食出来た。
 滿足しつつも、明日の天気を心配しつつ、眠。


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