Strange Days

2008年09月03日(水曜日)

藤沢周り帰宅

22時51分 暮らし , 自転車 ( 自転車散歩 ) 天気:くもり(蒸し暑い)

 今日も楽しく、藤沢経由で帰宅した。気温がやや高く、湿度も高いので汗が乾かず、かなり不快。でも走ること自体は気分転換にいい。
 境川に出る頃には薄明かりが広がっているだけで、そろそろ虫君たちが網を張り始める頃だった。時々まつげに羽虫が引っかかるのが鬱陶しい。メーテルだったら何百匹も引っかかることだろう。地引網かい。

BD-1の美点

15時05分 自転車 天気:好天

 では、BD-1はいいところ無しのダメダメ自転車なのかというと、そうじゃないんだぜ(東方の白黒風に)。
 BD-1には、どの面をとっても越えられないライヴァルがいる。走行性能でどれだけ頑張ってもロードバイクにはかなわないし、折り畳みではBromptonを初めとするより優れた車種がある。それは確かだ。
 でもロードバイクはBD-1ほど楽に輪行できないし、BrpmotonはBD-1ほどには走行性能が高くない。フルサイズのロードバイクで、どれほど頑張ったところで、700Cの大きなホイールとフレームという壁は越えられない。さらにはBD-1のように楽に、安全に輪行状態にすることも出来ない。BD-1は、多少のオプションを驕れば、折り畳むだけで楽に転がして行ける状態に出来るのだ。フルサイズロードでの輪行では、ホイールの固定やペダルの着脱に気を遣わねばならない。
 Bromptonの輪行性能がBD-1以上に高いのは実感だが、走行性能を上げようとすると特殊パーツの壁にぶつかってしまう。Bromptonの改造にはBD-1以上の覚悟が必要だ。
 そうなると、BD-1の欠点が美点ということにならないか。なにをやらせても中途半端で、どちらに伸ばすにしても壁があるということは、裏を返せば八方美人な性格付けで、それぞれの方向にそこそこの伸び代があるということだ。つまり、自転車に『これをやらせたい』という者には向かなくとも、自転車でいろいろ試してみたい、あるいは漫然と自転車に乗りたいだけという者には向いているのではないか。そういう意味では、BD-1ばかり何台も保有している人が結構いるのも頷ける。いろんな方向に伸ばせる自転車だからこそ、何台でも保有して、別々の方向に伸ばして、つまりは別の自転車を持っているという意識なんだろう。
 まあ、八方美人性、要するに汎用性という点では、今はTikitだのDahonだのというライヴァルがいるにはいるが、最後にBD-1ならではの特徴がある。あのデザインだ。こればかりは、ライバルに対して優劣というよりも、むしろ好悪で量らざるを得ないのだから、気に入ったものにとってはとことん美点だ。差別化という意味では、カラーを選ばないと側面に"Captain Stag"と書いてあっても違和感が無い、Bike FridayやDahonよりも有利だろうし。
 つまり、BD-1は、愛あるものにとっては最強の自転車。
 BD-1への愛と、現役Bike Fridayオーナーゆえに少々の悪口なら許されるだろうと傲慢かます、横浜辺境の俺様がお送りしました。

BD-1の欠点

14時32分 自転車 天気:晴れてるぞ

 気がつくと、知人にBD-1乗りがほとんど居なくなってしまった。最初から少なかったんじゃなくて、最初はみんな持っていたのに、気がつくと圧倒的少数派になってしまったという印象だ。出発点がBD-1乗りの仲良しクラブだったからというのはあるにせよ、ここに至った理由はあるはずだ。一人二人なら置き場所がとか懐が寂しくてとか、自転車以外の理由も考えられるが、これだけ多数だと自転車自体に理由を求めざるを得ないな*1
 BD-1の欠点ならいくつも思いつく。まず直進性の低さ。これはBD-1乗りがハンドルバーを切り詰めたがるからというのが大きいのだが、切り詰めないと折りたたみに支障が出やすいという点は考慮しなければならない。
 高速性能。特に高速維持の困難さが目に付く。これは小径車で加速が楽なために目立ちやすいというのもある。しかしMTBと走っても隊列維持が大変なくらい、その差を感じる。
 重さ。軽量化の道はあるものの、それは他の快適性をことごとく犠牲にする事でしか達成できない。そこそこ快適で、BD-1本来の折り畳んで持ち運ぶコミューターという性能を生かしたいのなら、どうしても11kg台には突入してしまう。全てのオプションを取り払い、シンプルに徹したところで、BD-1本来の輪行性能を生かそうと思えば、輪行袋はどうしたって要る。
 この3点が、BD-1オーナーならば誰もが思い当たる欠点だろう。
 これらをある程度突破することは可能だろうな。しかし、それぞれに別種の快適さを捨てざるを得ない。直進性の低さを補うにはハンドルバーの拡幅が有効だが、それは折り畳み性能を劣化させる。
 高速性能を取るにはステルビオを履かせるだの、全デュラ化するだの、挙句の果てに20インチ化だのが考えられる。しかし、そこまでしたところで、結局はMR-4にも及ぶものではないというのが僕の印象だ。また微妙な調整で成り立っている折り畳み性能を、やはり劣化させる。さらには相当の投資が必要だ。
 軽量化は完全に投資額の問題となる。しかも折り畳み性能を維持しようとすれば、結局は何某かの輪行袋や工具を持たざるを得ない。
 極端な話、金額に目をつぶって、折り畳み性能すら犠牲にしてゆけば、ある程度は高速性能向上、軽量化を達成出来るだろう。でも、そうやって生み出したものは、やたら手間と金の掛かるロードバイクもどきだ。しかも、走行性能に関しても重量に関しても、結局は勝てる見込みは無い。また輪行性能に関しても、Bromptonという決して越えられない壁が存在する。
 結局のところ、BD-1という奴は、なにをさせるにしても中途半端であるというのが結論だ。様々な欠点にそれぞれ解のようなものは用意されているのだが、完全な解決に繋がるものではない。みんな『それなり』にしか改善しないのだ。だから際限なく手間を掛けられるし、趣味性が高い自転車であるとも言える。
 そして『これは趣味だから』と自分を騙せなくなったときに、人はBD-1を捨てるのだろう。より実用性の高い、BikeFridayやBromptonに乗り換えて。
 現役BD-1ユーザだから、どんな悪口でも許されるだろうと傲慢かます、横浜辺境の俺様がお送りしました。