Strange Days

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2017年3月31日(金曜日)

プレフラ使ってミュシャ博行ってきた

美術館 , 思考 20:37:00 天気:雨
 今日はプレミアムフライデーたら申す日で、さっさと帰れと言われた。どうせならと、午後半休にして、新国立西洋博物館のミュシャ博を襲うことにする。
 チケットは予め買って、ファミポートで出力しておいた。雨のそぼ降る中、東京に向かう。
 新国立西洋博物館前には、切符を買い求める行列が出来ていた。外で出しておいてよかった。中に入り、ミュシャ博会場に入場。どえらい盛況であった。
 目玉のスラブ叙事詩は、ホールの高い天井につかえそうなくらいのビッグサイズで、ご覧のありさま。観客が群れているが、少し離れると気にならない。というか、全景を見るには離れざるを得ない。
 スラブ叙事詩は、ミュシャが画業で成功した後半生を費やした一大絵画群で、チェコのスラブ民族の歴史を描いたものだ。歴史とはいえ、史実とミュシャの想像世界とが混然一体となっており、シャープな視点が心地よく設定されている。でかいのに見やすく、細かく見てゆくのがひたすら楽しい。描かれた人物一人一人に確固たる人生がありそうだ。
 ミュシャはこの絵画群をもって、チェコ独立のために市民を鼓舞したかった。しかし、時代はミュシャが思う以上に急激に動き、シリーズ完成以前にチェコの独立はなってしまう。ミュシャにとっても歓喜の事態だったろうが、この絵画群の意味が薄れたにも確かだった。しかも、時代は抽象絵画に向かっており、ミュシャの絵は古臭いものとして、チェコの若者や知識層の酷評を受けたという。
 さらにミュシャは、こうした絵画群をしてチェコの民族主義を鼓舞しうる人物とみなされ、チェコ併合後の統制を強めるナチスドイツによって、事実上殺される*1
 この絵画群共々、ミュシャは報われない最期を遂げた。しかし、ミュシャの絵画は残り、WW2後に再び再評価を受けてゆく。あれほど酷評していた若年世代が老いると、今度はまたあらわれた若年世代がミュシャを再発見したのだ。プラハ近郊の城に死蔵されていたスラブ叙事詩も、ソ連崩壊後にチェコが民主化され、スロバキアと別れると、これも再発見される。そして今、門外不出ともいえる巨大な絵画群が、海を渡って日本にやってきたというわけだ。
 物思いにふけりつつ、スラブ叙事詩を3巡くらいしたら、血尿が出そうなくらい疲れた。すごいものを見たなと思いつつ、帰宅。
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2017年2月12日(日曜日)

高知~室戸岬~徳島ツーリング3日目

, 美術館 23:09:00 天気:晴れ時々曇り(寒い)
徳島についた3日目。高知~牟岐は意外に消耗したので、今日はのんびり、バスで大鳴門橋を見にゆくつもりだった。ところが、「その前に」と大塚国際美術館に立ち寄ったのが、悲劇と恍惚の始まり。 [続きを読む]
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2016年1月10日(日曜日)

さらば神奈川県近代美術館鎌倉館よ

暮らし , 美術館 20:24:00 天気:快晴
 神奈川県近代美術館の鎌倉館は、最も身近にある美術館の一つだ*1。気になった展覧会には結構顔を出したこともあり、総回数は葉山館と競り合うくらいじゃなかろうか。初めて行ったのは、漠然と2003年位じゃなかったかと思ったら、意外にも2005年になってからだ
 その鎌倉館が、地権者の鶴岡八幡宮との借地契約切れに伴い、閉館されるという。存続に向けた動きは多々あったようだが、双方で折り合いが突付かなかったようだ。残念。この月末には閉館なので、今が最後のチャンス。行ってこよう。
 地下鉄とJRを乗り継いで、鎌倉に。好天の下、鎌倉館は相変わらず四角く輝いていた。
 券売所に回ろうとすると、長く伸びた行列が目に入った。ここで行列を見たのは初めてだ。別に入場制限を掛けているわけではなくて、一つしか無い窓口が単純に飽和しているだけのようだ。
 中もぎっしり、とは行かないまでも、かなりの混雑。最後の収蔵品展で、何度か目にした美術品が多い。これは、最初に来た時に見たなあ、などと思いつつ、回った。
 この美術館で素晴らしいのが、平家池の眺め。南にあるので、夕方に来ると陽光がきらめいて、暖かく感じる。
 館内をうろついていると、『中3階見学』できると掲示があったので、学芸員に人に整理券をもらって、指定時間後に登った。小さな部屋で、かつては学芸員室として使われていたようだ。その後、増員もあって手狭となったので、学芸員棟の増築に向かったと想像する。その後は物置などに使われていたようだ。鎌倉館で一番高いところにある部屋で、とても見晴らしが良い。
 鎌倉館に今生の別れを告げ*2、次いでに鶴岡八幡宮の参拝をしておこうと思い立った。なんだよこの行列は……。正月並みの制限が掛かっている。成人の日と関係有るのかな?
 来た道を戻り、帰宅。
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2015年10月10日(土曜日)

遊行寺で一遍上人絵伝を閲する

美術館 , 自転車 ( 自転車散歩 ) 21:23:00 天気:くもりのち雨
 今日は遊行寺にゆきたい。以前から宝物館が閉鎖されていて、秘宝館かよと悪態を付いていたのだが、どうやら再開された模様。新装開店セールの目玉が、宗祖一遍の生涯を著す一遍上人絵伝全巻一挙公開なのだ。この絵巻物は、複数の巻がそれぞれ違う所蔵元にあるため、一堂に会する機会は珍しい。いや、二度と無いかもという。じゃあ行くぞ。
 来週に迫った壱岐行きをにらみ、自転車はポケロケを選択。境川をテロテロと下り、遊行寺に。真に良い雰囲気であると毎度感心する参道を上り、宝物館に。開いてる!*1
 館内は、中くらいの展示室一つだが、\800なりと割高に感じる。しかし、今日は見逃せない。入口付近に、かの*2空也上人立像があって、意外なお得感。
 一遍上人絵伝を、できるだけ頭から閲する。絵巻物のお約束は、巻頭から絵割に関係なく、時系列に進んでゆくので、まあ漫画だ。残念ながら、退職と汚染がそれなりに進み、はっきり読み取れない部分もある。しかし、厳島参詣と思しき場面や、稲村ヶ崎でどんちきと踊り念仏を始める場面なんか、なんとも楽しそうじゃないか。
 秘宝……いや宝物館を後にし、境内をぶらつく。なぜか、茶屋の前に鶏天の屋台があったので、買ってみる。宝物館の客は多いし、さぞ客が多いだろうと思うと、さっぱりなんだとか。鶏天、美味しゅうございました。
 大急ぎで、家へと取って返す。というのも、空模様が怪しかったからだ。しかし、境川は花の時期だ。しばしば足を止め、E-M5iiを向けた。
 鷺舞橋の休憩所まで戻ったところで、パラっと来た。やばい、とポケロケに帰宅を急がせたが、幸いにして帰り着くまで持ちこたえてくれた。
 帰宅して、艦これイベントの秋刀魚漁に精を出したのであった。
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2013年12月31日(火曜日)

岩国をおっ散歩

, レジャー , 美術館 23:55:00 天気:晴天なり
 実家にいると退屈なので、岩国に遊びに出かけた。確か小学生の頃に来て以来だ。
 呉線経由岩国行きの直行便があるので、朝一の便に乗り込むと、10:00過ぎには岩国に到着していた。Lumia1020で地図を見ながら、岩国の観光地帯である錦帯橋界隈を目指す。
 川沿いに歩いていたら、曰く有りげな大樹が、民家の庭にズドンと立っているのを発見。曰くがあろうがなかろうが、こういうのはいいね。
 川沿いの道を探しながら歩いていたのだが、次第に困ったことになってきた。尿意が募ってくる。しかし、幹線から外れた辺りなので、店舗の類がないのだ。我慢しつつ歩き続けると、真っ直ぐな、いかにも旧街道っぽい道に入った。なんだろうと思っていたら、案内板を発見。岩国往還だそうな。岩国城辺りから、港、そして広島方面へと抜ける道だった、らしい。
 この道沿いの小公園で、待望の公衆便所を発見。助かるわぁ。
 岩国往還の終点は、錦帯橋だった。ここ、有料橋なのね。渡る前に、向かいにあった店で、鍋焼きうどんを入れておく。冬は鍋焼きうどんである(確信)。
 錦帯橋を渡った辺りは、整備された公園を中心に、歴史的建造物が集う、観光の中心だ。それらをことごとく後回しにして、まずは岩国城を目指す。城のある山頂部までは、ロープウェイが渡されている。山頂側の駅周辺も小公園になっていて、眼下に錦帯橋を始めとする岩国観光地帯を見下ろすことが出来る絶景
 岩国城までは、遊歩道を10分ほどもてくてく歩くことになる。年寄りにはつらそうな傾斜だ。
 岩国城も有料で、中は概ね刀槍を中心とした博物館になっている。これは興味深い、脇差しを模した単発銃。これはどう使ったものなのだろうか。
 山を降りると、ロープウェイ駅近くに岩国美術館がある。施設っぽいこの美術館、中はやはり鎧や刀槍、武家の家具などが陳列されている。意外に見ごたえあり。
 城と美術館に時間を取られたので、そろそろ帰ることにする。錦帯橋を渡り返したバス停から、岩国駅へのバスに乗って、駅へ。岩国始発広行きの便に乗り込むと、ちょうどホームで、コーカソイドのオッサンが、前輪駆動のリカンベントを輪行解除しているところだった。思わず写真に撮って、ツイッターで意見を聞くと、Performerの製品ではないかという。しかし、大胆だな。
 帰宅して、晦そばを食ったら、行く年来る年を見る。来年は、どれだけ遊べるかな。
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2013年11月04日(月曜日)

松本瑠樹コレクション ユートピアを求めて ポスターに見るロシア・アヴァンギャルドとソヴィエト・モダニズム

美術館 21:25:00 天気:雨
 朝から雨が降り続く。止むこともあるが、概ね路面は水が載っている状態だ。自転車はダメだなあ。
 ということで、予定通りに、鉄路とバスとで近美葉山に向かうことにする。
 鉄道で逗子に出てから、駅前から出る葉山方面のバスに乗る。雨は降ったり止んだりだ。バスは近美葉山館の真ん前に止まるので、雨に悩まされることもなく到着。
 開催中の催事は「松本瑠樹コレクション ユートピアを求めて ポスターに見るロシア・アヴァンギャルドとソヴィエト・モダニズム」展。ファッション関係で財を成した松本氏が収集した、革命期前後のロシア・アヴァンギャルドに流通したポスターに焦点を当てた、ユニークな展覧会。
 ポスターが象徴するものは、ある者が他者へと発するアピールだ。この展覧会では、そのある者が帝政期の愛国者たちから社会変革者、革命期のボルシェビキ、成立した革命政権から、やがて先鋭化してゆく独裁政権中枢*1へと移りゆく流れを追いながら、その創造物にきらめく"見せる技術"と"魅せる意思"とを展覧できるもの、と書くとなんとなく至近弾くらいにはなった気になれる。ともあれ、無知無学であり浮気な一般大衆の興味を惹起し、はっきりしたメッセージを伝えるために、当時の才人たちが知力と技術を振り絞って作り上げたポスター群が、なんともカコイイ。実に厨二的なカコヨサなのだ。庵野監督辺り、絶対好きだよな、こういうの。
 ポスターが華やぐのは、成立直後の革命政権が、娯楽の必要性に気づいて映画産業を再興した際の、主に輸入映画に対して作られたポスター群だ。やたら血腥い戦時共産主義体制では国民の疲弊が深まるばかり、と暫定的に導入された新経済政策の下で、いかにも他人の財布から落とさせようという意図が見え見えの、しかしそうであるだけに極めて洗練された様式のポスターは、見ていて飽きない。
 しかし、やがてポスターが物語るのは、巧妙に隠された権力者の惹句へと収束してゆく。スターリンが自身の神格化を推し進めるに従い、ポスターからは芸術家たちの意図が失われ、権力者たちの意思だけが示されるようになってゆくのである。いかに才能ある者たちを発掘することに長けた独裁政権下とはいえ、表現に強力な枠が科せられてしまっては、やがて停滞へと向かっていったのも宜なるかなである。
 この展覧会は非常に面白かったので、基本的に買わないことにしている*2展覧目録を買った。これはパラパラとめくって読むと、楽しい。
 帰る頃には、雨がやや強まっていた。またバスと鉄道を乗り継いで、帰宅。

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2013年10月26日(土曜日)

近美鎌倉加納光於展

暮らし , 美術館 20:13:00 天気:雨のち曇
 午前中、結構な雨が降り続く。昼から大人しくなり始めたが、自転車には向かない一日になった。よろしい、美術館に行こう。
 午後、鉄路で鎌倉に向かう。県立近代美術館鎌倉の展覧会を見にゆくのだ。本当は葉山でやってる革命期のロシア・アヴァンギャルドに関する展覧会を、ぜひとも見に行きたかった。しかし、葉山には自転車以外で行ったことがなく、所要時間を見積もれなかったので、またの機会に回したのだ。
 鎌倉駅で降り、鎌倉館に入る。久しぶりだな。対岸から見て、ちょうど蜘蛛の巣が綺麗に重なっていたので。
 開催中なのは加納光於展。戦後、モノクロ銅版画を皮切りに、カラー版画、オブジェ、油彩にまで手を広げ、今も活躍中の作家だそうな。あれ、この作品見たことがあるぞというものも多い。実は澁澤龍彦の知己を得て活躍の幅を広げていったこともあり、渋沢作品の装幀を手がけたことも多く、それで目にした覚えがあったというわけだ。
 印象的だったのは、染料を静電気を介してセロハンに移す手法で"画かれ"た、一連の作品だ。染料の生々しい流れがそのまま写し取られた作品群には、なぜか見覚えがある。そうだ、これは地球や火星のむき出しの大地を、遙か衛星軌道から撮影した画像にとても似通っている。自然が生み出した偶然の美に迫る、人間が生み出した偶然の美。とても興味深い。
 帰る前に、なんだかドンつくドンつく賑やかなので、鶴岡八幡宮に立ち寄った。ドンツクの正体は、神楽殿の横で奉納中だった、陸前高田のお神楽。演目はスサノオと記憶しているが、すると般若みたいなのは大蛇か。この適役が、上に張られた注連縄に立ったり殺陣を繰り広げたりで、派手な内容だった。
 神社参拝後に帰宅。
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2013年9月23日(月曜日)

諏訪最終日は、下諏訪辺りをぶらり

自転車 ( 自転車旅行記 ) , 美術館 21:48:00 天気:好天続く
 諏訪湖周遊も、今日が最終日だ。前回と似たコース、似た日程で動いているわけだが、真夏の酷暑がなく、同行者があったり、前回の経験から違うコースを取ったりで、前以上に楽しめている感じ。
 まず宿を出て、上諏訪駅まで走る。基本的にほっとき系宿なので、気楽でよかった。
 駅のコインロッカーに余分の荷物を預け、湖岸を北上していった。途中にある、下諏訪町率諏訪湖博物館。後で寄ろうと思っていたが、それっきりになってしまった。
 まずは下社秋宮。境内にある恵比寿神社にも参詣。ここは美保神社系らしい。
 ふと見ると、我がMR-4の近くにBromptonが。やはり、諏訪周遊だけなら、Brompton最強だよな。
 さて、神社めぐりの楽しみは巨樹巨木。ここにも境内の真ん中に、まるで参拝客の動線を仕切るように立ちはだかっている
 下社は、秋宮春宮共に、なぜか拝殿の真ん前に神楽殿が鎮座している。正直、邪魔。形式としては、祭神に神楽を献上するために、こんなところにあるというのだろうか。
 拝殿は、秋宮春宮共に、やはり似た形式を取っている。秋宮春宮は双子のように似てコンパチみたいなのだが、上社の前宮本宮は新旧という感じで、完全に移行している形なのが面白い。
 さて、今回は4本の御柱を探そうというのが、影のテーマだったりする。前宮の方は、一昨日の日記のようにラクラクなのだが、本宮は四の御柱が覗くことも叶わない山中にあり、挫折していた。しかし、下社の方は、どちらもそれほど山が深くないので、なんとかなるのではないか。
 まず一の御柱二の御柱。この2本は拝殿手前左右にあるので、問題ない。問題は三、四の御柱。
 三の御柱は、二の御柱の奥、拝殿の左後方を覗き込むとある。本宮で見えなかった四の御柱も、同じように右奥を覗くと立っている。
 鳥居の脇には池がある。千尋池というこの池には、千尋社という正体不明の祭神を祭った小社が立っている。正体不明の祭神か。燃えるな。
 秋宮を後にし、春宮まで走る。ちょっとお腹が空いてきたが、この後で食事にしよう。
 春宮の神楽殿も邪魔だな……。
 拝殿は秋宮と似ているが、細部を見てゆくと意外に差異を見出す。コピーというわけでもないようだ。建築時期に腕を揮った棟梁たちの意気込みが、諸々の差異になっているようだ。
 さて、諏訪大社といえば痛絵馬なのだが*1、上社にも秋宮にも、そう目立つほどには奉納されてない。だが、春宮は違うぞっ。さすがだ。なにが流石なのか、よくわからんが。
 さて、ここでも御柱探し。まず一の御柱。御柱は、一から四へとだんだん短くされているので*2、聳え立つオンバッシィーラ感は最大だ。
 探索の都合で四の御柱。春宮も拝殿の森は深くないので、簡単に見つけ出せる。
 二の御柱と、三の御柱。三の御柱は、周りの木が茂っているので、撮りにくかった。
 目的は果たした。さて、拝殿の脇には境内社が並び、さらに筒粥神事が行われる筒粥殿がある。筒粥神事とは、筒に入れた米を炊いて、その色艶*3などを品評して吉凶を占うというもの。
 この境内にある巨木。ご丁寧に、周りを石垣で囲っている。謂れのあるものなのだろうか。
 西に歩くと、浮島神社。小さな社だが、ロケーションといい佇まいといい、絵になる小社だ。
 橋を渡って、万治の石仏。案内看板に拠れば、作法通りに周りを三周しながら呪文を唱えるというものだが、正しくは『よろず収まりますように』なのだが、『万事丸く収めたまえ』と唱えてしまったので、多分効果ない。しかも、この『正しい参拝方法』は、つい最近観光協会が勝手に創造したものと判明し、俺の中では万治の石仏そのものが大暴落。ここは写真に撮って、面白がるのが正しい場所のようだ。
 食事にしたい。まずは湖岸に向かった。なにかの店はあるだろうというくらいの、安易な考え。その途中で見た神橋
 海岸線まで出て、とりあえずNexus7を引っ張りだして、店舗を検索してみる。実は、ACRO Sをバッグに付けたままコインロッカーに入れてしまっていたのだ。うーん、これという店はない。蕎麦を食いたいな。
 迷走の果て、イオンなショッピングセンターの近くに、手頃な定食屋を発見。ここに入ることにする。蕎麦は、まあ昨日の夜にも食ったからいいや。
 ここで、諏訪近辺の店が押しているらしい、タレカツ丼をいただく。カツが揚げたてで、これは美味しい。
 電車まで時間があるので、湖岸にあるハーモ美術館を訪う。印象派の絵画を数多く収集している美術館。財を成した資本家が、最初に目覚める絵画は印象派というのは、定番コースかなんかなのか。ともあれ、中はじっくり見て回るに値するものだった。
 適当な時間になったので、上諏訪駅に向かい、輪行状態にして、はまかいじで横浜に戻った。
 今回も楽しかったが、麦草はもう当分はいいや。
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2012年12月23日(日曜日)

年末の奈良行2日目

, 思考 , , 美術館 , 自転車 ( 自転車旅行記 ) 21:31:00 天気:雨時々止む
 今日は、前回回れなかった、明日香村周辺をうろつきたい。
 ホテルのしょぼい朝飯を食いつつ作戦会議。恐らくは、ホテル前*1の道を延々と南下すると、近鉄飛鳥駅まで出られそうだ。Bromptonを南下させていった。道は比較的広く、まあまあ走りやすい。下手にサイクリングロードを行くよりは楽だった。
 さて、ずっと南下してゆくと、地図上では橿原市に入った辺りで橿原神宮に出る。なんの予備知識も無かったのだが、要するに明治期の国家神道に置いて新設された、神武帝を祭神とする新しい神社らしい。正直、有り難みがないな。しかし、これもいい機会だと思い、立ち寄ることに。
 神社の前に、近くにある橿原歴史博物館に立ち寄った。遺跡の豊富な地故か、地味な佇まいの割に見応えのある博物館だった。
 橿原神宮の参道に回る。偶然にも、すぐ近くに滑りこんできた男性も、Bromptonでやってきていた。旅行にはいい自転車ですよね*2
 橿原神宮は、想像より豪奢ででかい神社だった。ここに見えている拝殿から、さらに本殿までの間はえらく離れている。むしろ遥拝殿の扱いだ。ちょっと、カミとのダイレクト感がない。
 橿原神宮から更に下ると、近鉄飛鳥駅。ここが今日の実質的なスタート地点だ。
 まずは高松塚古墳に向かう。古墳を取り囲む丘陵地を込みで公園化されており、高松塚古墳そのものは外形しか参観できない。別に古墳館があって、内部の状況などを知ることができる。
 高松塚歴史公園を離れ、次はと地図をまさぐってみると、どうもサイクリングコースが設定されているようにみえる。なので、その道を通ることにした。
 公園からやや北上し、こんもりした丘を越える道に入ると、鬼の俎があった。実態は、この近くにある*3鬼の雪隠と合わせて、一対の石棺を成していたようだ。こうした謂れのわからなくなった、しかし明らかに古墳の一部と思われる遺跡が多いのも、明日香村の楽しいところだ。
 一度丘を降り、車道と並走するような裏道にあるのが亀石。これも古墳関係なのだろうとは思うのだが、その用途が想像できない。呪術的な意味合いを持つ埋納品だったのか。
 お腹が減ってきた。橘寺近辺に出て、何の気なしに対面の川原寺に目を向けると、なにやら食事できそうな雰囲気だ。自転車を止めて、寺の脇手で鍋焼きうどんを頂く。雨もぱらつく寒い曇天だったので、この暖かさに生き返るようだった。
 その対岸にある橘寺には、やはり二面石という謎の遺構がある。亀石と同じ古墳関係なのだろうとは思うのだが。
 明日香に来たんだから、どうしても石舞台には行きたい。それほど離れてない場所にある、石舞台歴史公園に向かう。ちょっと雨がぱらついているのを気にしつつ、公園*4に入った。外から見ても中から見ても、明らかに古墳の玄室ですねという造りだ。しかし、たかが人一人を葬るのに、えらい手間だ。権力と富というものは、これを可能にする。
 この辺で雨が強まってきたので、石舞台歴史公園対面の売店で雨を凌ぐ。まあ、どうしても雨がやまなければ、雨具を着て最寄り駅まで走るだけだ。しかし、その前にせめてアレは見たい。雨が上がればいいが。
 そういう願いが通じたのか、濃い雨雲は通過していった。よし、アレを見にゆこう。
 さらに北に続くサイクリングコースに沿って走る。案内表示を拾いながら小公園に至り、山中に分け入ると、あった。酒船石だ。手塚治虫だ! 三つ目がとおるだ! これも、いやこれこそが極めつけに謎の遺構だ。写楽保介が説いたような、薬石混合台という説は無さ気だが、丘の下から発掘された亀型石造物の存在と考え合わせるに、なんらかの流体を扱う場だったという予想は成り立ちそうだ。実際、亀形石造物の方は、どう言い繕いようもなく水盤だ。
 次に見たいのは、飛鳥寺。その辺に向かう途中で、異界への入り口のような光景に出会う。
 更に北上すると、これも押さえておきたい古刹、飛鳥寺に行き当たる。本尊の飛鳥大仏は、その創建当時から動座していない希少な飛鳥仏だという。脇侍のうちの阿弥陀如来像も重文であり、残る釈迦牟尼仏とともに、この三尊は撮影自由らしい*5。ありがたくカメラに収める。
 この寺を突き抜けて、少し歩いたところに、蘇我入鹿首塚がある。なんの説明もなく、中途半端に造成中の場所にぽつねんと置かれ、いささか戸惑った。
 まだ雨の気配が残る中、最後に飛鳥情報館に立ち寄る。ここでは、この近くにある山田寺の遺構に関する展示がされていた。しかしまあ、古寺古刹に古墳だらけの土地だな。
  JRの桜井駅まで走り、輪行でホテルに戻った。食事は、なんだか鰻欲が最強に強まっていたので、三条通のうなぎ屋に入る。しかし炊いたご飯はあまり欲しくない。なので、鰻雑炊という変化球を取った。卵を絡めた鰻の雑炊がうまい。
 明日は平城京跡には行きたいものだ。
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2012年7月24日(火曜日)

九州北部ツーリング4日目

暮らし , 自転車 ( 自転車旅行記 ) , 美術館 23:09:00 天気:暗雲あり
 最終日は、むしろ実家への移動日。だが途中、寄りたい場所があった。
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2011年3月21日(月曜日)

雨だったので今治タオル美術館に

, レジャー , 美術館 , 自転車 ( 自転車旅行記 ) 23:02:00 天気:雨時々止む
 しまなみ縦走を無事に終え、今日は松山に移動する予定。しかし、朝から相変わらずの雨模様だ。雨は弱いが、かと言って一日中走りまわるには辛い。そこで、基本的に自転車移動は抑え、他の交通機関を使って、楽しそうな場所を巡ろうという話になった。
 大潮荘の朝食は、料亭の誇りがあるのだろう、相当に高レベル。鍋が付いてくるし(下手すると観光ホテルの夕食レベル)。
 外は僅かに雨がぱらついていたが、今治まで自転車で強行突破した。ここで荷物を預け、今治タオル美術館に何らかの手段で出かけるつもりだった。手荷物について観光案内所に尋ねてみると、なんと改札で預かってもらえるとか。\500で一時預かりしてもらえる。改札横なので超便利だ。
 さて、その観光案内所にタクシーの手配を依頼し、やってきたタクシーに5人乗りして*1、今治タオル美術館に向かった。そこまでの道中は、ある程度旅慣れてきた僕などには、まあ大丈夫だろうと思える程度の傾斜だった。
 今治タオル美術館は、想像以上にでかくて立派なところだった。博物館じゃなくて、美術館なのが面白いところ。中は崖の傾斜を利用した多層構造で、最高層が屋外庭園+美術館その他の本命、その下層は概ね土産物スペースになっている。入ると、巨大な*2どうぶつが迎えてくれる。
 まず昼食。最上階にある中華レストランで。中華レストランというカテゴリーを低く見ていた拙者の性根をたたき直してくれそうな、気合の入ったレストランだった。鳥唐がやばいくらいうまい。
 美術館へと入る。中にはタオルの製造ラインが、恐らくは観光目的主体に設置されている。ちゃんと稼働中だ。広大なタオル地に絵図を織り込んでゆく行程に、思わず齧り付きで仔細に見入ってしまう。
 その奥がタオル美術館の本体。折よく、ムーミンの作者で知られるトーベ・ヤンソン展が催されていた。今の、というか、中期以降のムーミンが、血族会社で作製されるプロダクトになっていたのを初めて知った。優れた創作が、創作者だけじゃなくて血族まで巻き込み、延々と広げられてゆく事態が、ここでも起きている。創作は創作者を超えるてゆくものなのだと、手放しで喜んでいいのだろうか。
 などとたまに深刻そうなことを考えて見せながらも、概ねミーハーに原画などを眺めて回る拙者であった。
 美術館を出て、下層の土産物屋群を回る。ファンシーなグッズ売り場でしばらくうろついていたら、そのあまりものファンシーさにファンシーファンシーに酔ってしまい、ファンシー酔いになって椅子にへたり込む羽目になった。
 帰りも行きのタクシーに迎えをお願いしていたので、時間通りに外に出て、さっと今治駅まで戻った。
 ここから松山まで、予讃線の特急で移動した。車中、今まさに開催中のはずの道後温泉まつりのことをDefyで調べていたら、流行りの"自粛"により中止となった事を知った。ガッカリ感満喫。
 ともかく松山に出て、まず今夜の宿の全日空ホテルに自転車で移動する。俺たちの如き自転車旅行者が利用していいのだろうかと思うくらい、屹然と立つ中級ホテルだった。
 自転車を地下に置いてから、さて道後温泉にと向かうのだが、女性陣は疲労その他で出かける気を無くしたようだ。こば氏と二人で、今日は神の湯一階席((つまり一番チープなコース))に入ってきた。
 夜は町に繰り出したが、なかなかこれという店に行き当たらず、若いもん向けらしいお好み焼き屋に入った。美味かったが、後で体に響きそう。
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2010年12月12日(日曜日)

神奈川県立近代美術館葉山館にて夕陽を待つ

美術館 , 自転車 ( 自転車散歩 ) , 20:19:00 天気;快晴
 今日も結構早起き。よしよし、昨日決めた通りに、埜庵に出かけよう。ポケロケを境川に向けた。
 埜庵に着くと、店主が客を捌いているところ。今日のランチのミートスパゲティ、そして冬の名物Wいちご(ミルク)を注文して、2Fに上がらせてもらった。店主曰く、今日は結構客が少ないようだ。昨日に比べて、気温が5℃くらい下がったからねえ。
 ミートスパゲティ。生麺がもちもち*1、ソースも柔らかい野菜がトマトピューレの酸味に負けず自己主張していて、美味しい。先週終わった煮込みハンバーグを食べたかったのだが、これはまたやるよとのこと。リベンジするぜ。
 Wいちごミルク。今日はあえてミルク。中から登場するゼリーと果肉がうれしい。かき氷の割にお腹に響かないのも。
 さて、埜庵を後にすると、近美葉山へと走った。結構な向かい風に疲労しつつ到着。葉山にたどり着いたのは久しぶりだなあ。
 展示は『プライマリーフィールドII』とのことで、現代美術の若手7人の展覧会だった。バラエティに富んだ展覧会だった。先日の鎌倉館の半券を出すと\100安くなったし。
 それぞれの作家の印象をメモリながら見たので、それを元ネタに。
・高橋信行
 パステルカラーに潜むチャコールの不吉な影。パステルカラーの平和な画面に、濃いチャコールの影が走ると、なぜだか衝撃をおぼえる。不吉さを持っているからだろうか。
・小西真奈
 どこかの観光地なのだろう。明るい光の下遊ぶ人々。だが現世離れした風景が、本当は死後の世界なのかもと思わせる。実は展覧会の開催要旨に貼られているこの作家の『浄土2』にびびっと来たので、葉山に足をのばしたのだ。観光地の風景と見るには、あまりに現世離れした雰囲気に、なにか異界を意識しながら描いたのではないかと思った。
・保坂毅
 いろんな形、いろんな色のストライプ。うーん、うーん。
・三輪美津子
 インテリアを多く描いている。中に「山」というタイトルの、しかしベッドを描いたものがあり、隣に別のタイトルの山を描いたものがある。並べ間違えかと聞いてみたら、正しいとのこと。ベッドを山に見立てた作品を、わざわざいかにも山な作品の隣に置くよう指示したのは作家自身。おやっと思ったら、きっと作家の勝ちだ。

 ここらで館員にDefyでのメモをやんわり注意されたので、鉛筆を借りてメモしながら残りも回った。しかし我が鉛筆文字は、自分でも判別が難しい……。

・東島毅
 でっかい作品多し。巨大さを生かし、光源との関係を変えることで多様な鑑賞を可能とする。平面に立体部品を適用する場合も。特に『影を追いながら』は、朧げな光にはべったりした影。強光にははっきりした塗り面を見せる。
・伊藤存
 見方が良く解らん。が、見ていて飽きない。だまし絵風が多し。
・児玉靖枝
 彩度の狭い帯域で勝負している。気配シリーズは初春の季節が変わる予感を捉えたものだろうか。深韻シリーズは変わること無く韻韻と響き続ける森の通奏低音を聞くがごとし。中でも雨三面は、暖かな雨ならばそのまま森と同化してもいいかもと思わせる。どこか落ち着いて、蠱惑的。

 ひと通り見終わって、葉山館裏手の散策路から、伊豆半島に沈む夕日を見た。雲が増えていたが、切れ目から幻想的な夕陽が見えた。寒かったけどな。
 最初はG'z Type-XDefyで撮り比べていたが、そもそもバックパックにPowershot Sx10ISを入れていたことを思い出した。やはりズームがあると、夕陽は撮りやすい。
 今日は風が強いせいか、雲がどんどん表情を変えてゆく。夕陽と雲が美しい
 夕陽は低く見える伊豆半島に掛かり、すっと落ちて行った。
 さあ帰るぞ。逗子からは完全にナイトランとなったが、ライトを完備していたので無事に境川まで帰り着いた。G'zのカメラは夜に弱いな。
 風と戦ったせいか、結構疲労しながら帰宅した。

2010年12月04日(土曜日)

神奈川県立近代美術館鎌倉館まで往復

美術館 , デジタルカメラ , 自転車 ( 自転車散歩 ) 19:28:00 天気:快晴
 目覚めは結構早く。さあ、どこ行こうか。
 ちょっと考えて、葉山の近美葉山館を襲おうと考えた。
 昼食を取ってから、自転車で葉山方面に向かう。コルナゴ様をチョイス。リアルなロードバイクは快楽指数が高い。荷物はほとんど持たず、ツール類はツールボトルに入れて、後は上着のポケットに入れる分だけだ。カメラはG'z Type-Xで済むので楽だ。後はDefy。問題はこの二つの通信の面倒をみるモバイルWifiルータだ。これを背中のポケットに入れると、汗まみれになってしまう。だが、ポケットルータにぴったりなサイズのビニール袋があったので、それに入れて運ぶことにした。
 近所の農園の前を通りがかると、生垣の上から柿の実がたわわに実っているのが見えた。
 いったん江ノ島に出て、それから葉山方面に走り始めたのだが、ここでひよって鎌倉に向かうことにした。というのも、空が良く晴れているので、日没に期待できそうだ。帰路の時間を考えると、鎌倉までの往復じゃないと間に合わない。真っ暗な道を走りたくはない*1。というわけで、鎌倉に。
 鎌倉館では『人|HITO 収蔵作品にみる人間の形』という催しを開催中。肖像画というのもは必ず演出が施されているという指摘はその通りだが、改めて多数の肖像画並べて示されると、訴えてくるものがある。ある肖像画は対象を半ば神格化し、あるものはネガティブな部分を掘り起こし、またある者はむしろ自分の姿を投影する。他の収蔵品も、ニンゲンの形を解体、拡散させてゆく過程が見えるように仕組まれている。
 ちょっと珈琲でもと思いきや、喫茶室が何故か休みだった。1Fテラスから鳥居方面を眺める。よく晴れているので、陰影が美しい。
 帰りに別館にも寄ったが、これはうっかり、前回寄ったときから模様替えはされてない。
 北鎌倉経由でシャカリキに入り、境川に。日没にはぎりぎり間に合わず。しかも、雲が全く無いので、面白みに欠ける。
 陽が落ちたところで、MasterXLをG'z Type-Xで撮った。原画を拡大してゆくと、細部まできっちり映っている。ラチチュード、というかダイナミックレンジなのか、過大光量に対しすぐ飽和する傾向はある。が、これだけ写れば、μTough6000の出番は、この先無さそうだな。
 そうそう。今日の新装備はこれ。NorthWaveのFahrenheitというロード用防寒シューズだ。これはロードシューズにゴアテック外皮を一体化したような構成で、真冬でも乗れるぜという設定。実際に使ってみると、外皮は意外に薄く、本当に真冬だと不安だ。シマノのMW80*2に較べると、防寒性は一段落ちる感じ。だが、今日くらいの気温なら、何ら問題はない。
 陽の落ちきった西空を、G'z Type-Xで撮る。雲がないこともあり、何ら面白みのない写真だ。これくらいなら、500万画素のDefyでも同じだろうと思って撮ると、やはり似た様な写真になる。写真を撮るには、まず情況を選ばねばならないな。
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2010年11月19日(金曜日)

雲州ツーリング2010移動日

, 美術館 23:54:00 天気:晴れ
本行程は明日からで、今日は移動日だが、その間に見ておきたいところもある。そういうわけで、今日からお楽しみモードだ。
 さてさて。朝は5:20立場発の地下鉄で上大岡に。さらに京急に乗り継いで、羽田に向かった。
 羽田は、大勢の旅行客でごった返し、早々にゲートを潜る。ロビーで同便のこば氏に会うかと思いきや見かけず、そのまま機上の人となる。
 A320は少しだけ揺れたが、概ね平穏に米子空港に送り届けてくれた。米子空港が米子鬼太郎空港なんて名前になっててびっくり。
 手荷物返却所でこば氏と会う。こば氏はBromptonを持参している。手ぶらな拙者とは別コースを辿らねばならぬ。ならば、と、安来駅での再会を約して別れた。その安来駅から出るバスで、足立美術館という有名どころを襲うつもりだった。
 さて、別れた僕はというと。バスで米子に出た。時間はあるし、米子駅周辺の見所を見て回るつもりだった。その間にHT-03Aで泥縄式に観光情報を漁るが、ピンと来る所が無い。
 結局、以前も通った元町サンロードという繁華街(だったシャッター街)を通り、市役所方面に歩いた。その方向に山陰歴史館という博物館と、美術館があった。佇まいを見て山陰歴史館を取った。ここは旧市庁舎を流用したものだが、歴史館としてはここに移転する前からあったようだ。無料だが、意外に見応えあり。雑多な生活資料の蓄積があり、中にはタイガー計算機や漢字タイプライターなんて遺物もあった。
 駅方向に歩きながら、突然に空腹感が襲ってきた。朝は軽かったし、もう昼前だしなあ。近くの店で適当に食って、駅に歩いて行った。意外に遠く、15分は掛かったろうか。
 駅に着き、時刻表を見ると、まだ40分ほど時間がある。近くの喫茶店でケーキセットなんぞ食している時、はたと気づいた。カメラが無い。
 どこかで落としたか。そう、さっきの店か、歴史館の前で荷物を下ろした時だろう。時間は30分しか無い。
 大急ぎで引き返す。競歩ピッチで慌ただしく歩き、まずは食事した店に入った。すると、店の兄ちゃんがアッという顔になって、すぐにカメラを出してきてくれた。良かった! なんでも、あの時に気づいて、追っかけてくれたそうだが、見失ったそうだ。ありがたい。何度も礼を言いつつ、急いで駅に引き返す。駅までは遠いが、あの兄ちゃんの厚意を無にするわけには行かない。ハイペースで歩き、なんとか間に合った。これで米子の印象はグッと良くなった。でも、あまり見所無いな。
 安来駅に着くと、(あ)氏に遭遇。こば氏はと思って電話を掛けたが留守電。喫茶室で昼食をとる(あ)氏を邪魔しながら待っていると、連絡がついた。駅の駐輪場に自転車を入れるという。そして3人揃った。
 この先、足立美術館を訪いたい。そこまでは無料送迎バスがあるのだが、バス乗り場を見るとえらい行列だ。しかもバスは小型。その近くで、行政のやっているイエローバスという巡回線の呼びこみをpやっていたので、そっちに乗る。有料だが、まっすぐに美術館には行かず、あちこち回るので、これはこれで面白かった。
 さて、バスは美術館についた。規模の大きな美術館で、最近新館が開館して、さらに拡大している。入館料を支払い、連休直前とはいえ平日なのに混雑気味の美術館内に入った。
 庭園はさすがに見事。実は美術館から車道を挟んだ小山の上に、なぜか人工の滝があり、これなによという話題になっていた。実はそれもこの庭園の一部になっていて、近くで見ると作り物感満載のそれが、庭園の側からみるとちゃんと一体化して溶け込んでいる。視線の計算されっぷりがむしろ快感だった。そこここに写真に残したい風景が展開されている。しかし、限られた視点の他には、一切の自由を許さない、計算され尽くしたような人工の風景でもある。
 ちょっとコーヒーを飲みたくて喫茶室に入った。\1kの珈琲を喫しつつ、美しい庭を眺める。
 帰路は送迎バスで安来駅に出て、松江に到達した。一旦、ホテルにチェックインする。こば氏は駅近のホテル、(あ)氏と僕は京町近くのホテルだったのだが、実は繁華街は京町周辺に展開されているのだ。こば氏に歩いてきていただき、しばらく近隣を歩きまわった末、去年も入った店に入った。あの肉うどんを出す店だ。暴食気味に飲み食いしたのに、そんなに高くないのが魅力だ。
 ホテルに戻り、ポケロケを組んでおいた。これで、明日からのツーリングの準備は完了だ。
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2010年10月02日(土曜日)

近美鎌倉まで往復

自転車 ( 自転車散歩 ) , 美術館 22:34:00 天気:晴れ
 昨日は早めに寝たせいか、ちょっとヤル気が出た。どこ走ろう。本当は北方の八王子界隈をうろついてみようと思っていたのだが、雑用を片付けていたら昼になってしまった。そこで、久しぶりに神奈川県立近代美術館鎌倉館まで往復してこよう。自転車はMasterXLを選択。
 まず長後のCoCo壱番屋でカレーを食ってから、境川を南化して行った。の季節だねえ。
 江ノ島まで出てから、鎌倉まで走る。人が多い。鎌倉としても多い。かき分けるようにして走り、近美に至った。
 今日は岡崎和郎という造形作家の個展だった。直感的でない、難解な作品を作る人だったので、思わずじっくりと見る。メモを取ってきた。そのまま書き下すと。

御物補遺
それを鑑賞すると言うより、それが産むもので表現する。『包丁』という作品は包丁から取った鋳型とそれで作った内容で構成される。ただし半形。我々は鋳型から包丁の実在を感じるのだが、その生成物からはにせものらしさ、作り物らしさを感じる。

ひさし:ひさしが付録するはずの建物本体の存在を感じよ。

空間の手:難解(要するに掴み所がない)

皆難解だ。しかし永平寺あたりにごろりと転がっていたら、違和感皆無だろう。

遠くから眺めるというより、近くでまじまじと観察したくなる作品が多い。

核に関する作品も多い。

ヒロシマタイム:ヒロシマの時間は8:15で止まっている。だが作者は
、黒い雨は大地に降り注いで浄化されるという。その意味で現在の問題なのだと。

 核に関する作品からは、他の作品とは異質な生々しさを感じた。それ以外の作品からは、高踏的というか、余人の及ばぬ領域で知的な考察と遊びに耽っている観があった。ううむ、もう一度来るかな。
 別館の方では、保田春彦の膨大なクロッキーを陳列。クロッキーはみんな裸婦ばかりだが、あまりにも沢山のポーズが描写されているので、思わず筆跡を指で追ってしまう。絵を描く人が見ると参考になりそうな気がした。その間にポツポツ陳列されている、『白い風景』シリーズは、どこにもないはずなのに、どこかにありそうな建造物の造形。
 帰路は西鎌倉によじ登って、柏尾川に出てから、境川をさかのぼった。こういう芸当は、リアルロードのMasterXLは得意だ。
 夕陽を撮る。雲にかからない夕陽を撮れた。この画像を撮影したPowershot SX10にはEye-Fiを差してあったので、早速アップロードしようとしたのだが、失敗した。なぜに? 300kBPSのB-MOBILE U300ではきついのか。
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